花の命は限りあるものですが、特にお気に入りのお花と出会えたとき、ほんの数週間でお別れするのはちょっと寂しいですよね。
もっとたくさん育ててみたい、まだまだ楽しんでみたいと感じる出会いもあると思います。
今回はそんなときにおすすめの、お花を増やす方法「挿し木(挿し芽)」について紹介していきます。
挿し木(挿し芽)とは?切り花の仕組みを利用した増やし方!
挿し木(挿し芽)とは、植物の一部を土に挿すことで、その植物を増やすことができる方法です。
樹木の場合は「挿し木」、草花の場合は「挿し芽」と呼ばれます。
植物は、生命維持に重要な根を失ったとしても、本来の場所以外から根を生やす能力を持っています。
挿し木(挿し芽)はこの力を利用して植物を増やす方法です。
本来の場所以外から根(不定根といいます)を出すことが出来る植物は挿し木で増やすことができますが、球根類は挿し木で増やすことができません。
挿し木(挿し芽)で増やせる切り花の種類
挿し芽で増やす花として一般的なのは、バラや菊です。
ほかにもアジサイ、ハイビスカス、ゼラニウム、コスモス、ベコニア、マリーゴールドなどは挿し木で増やせる花類です。
他にパキラ、ポトス、アイビーなどの観葉植物、ローズマリーなどのハーブ類も挿し木に向いています。
挿し木(挿し芽)に向いている季節はいつ?
挿し木(挿し芽)に向いている季節は、基本的には春~秋の、その植物の生長期。
花木に関しては、花が終わってから1カ月以内が適しているといわれています。
また、真夏や梅雨時期に挿し木をするのも基本的には避けた方がよいでしょう。
挿し木(挿し芽)のやり方を確認
親株から切り取って挿し木にする部分のことを「挿し穂」と呼びます。
まず挿し穂にする茎または枝をカットします。花の場合なら、5cm程度切ります。先端についている葉を2~3枚残し、それ以外の葉を取り除きます。
アジサイなど葉が大きい植物は、葉を半分に切っておくと水分の過剰な蒸散を防げます。茎の下側を斜めに切り、1~2時間ほど水に浸けておきます。
必須ではありませんが、切り口に発根促進剤をまぶすとよりベターです。発根促進剤には成長ホルモン成分が入っているので、根が出る働きを助けてくれます。
挿し木(挿し芽)に利用する土のことを「挿し床」といいます。
無菌で肥料分の含まれていない土を用意し、小さめの鉢に入れます。小粒の赤玉土や鹿沼土を単独で使用するのがよいでしょう。
初心者の方は、挿し木用の土も市販されているので、そちらを利用すると手軽です。土をよく湿らせたら、指などで穴を開け、2~3cm程度の深さに差し込み、しっかりと土を押し固めます。
ここでも発根促進剤があれば成長の助けになります。製品の表示に従って使用してください。
風や日光が直接当たらない、明るめの日陰や、一日に数時間日の当たるような半日陰の場所で管理します。
水やりは、土の表面が乾いてきたころに与えます。やりすぎは挿し木が腐る原因にもなりますし、発根する力を引き出すことができません。
肥料も与えずに、水だけで育てていきましょう。
3週間~1ヶ月程度経つと根が張るので、より大きなサイズの鉢に植え替えをします。この後は徐々に日当たりのよい場所に移し、通常の生育をしていきます。
挿し木(挿し芽)の注意点。違法になることも
挿し木(挿し芽)をして増やしたお花は、個人的な範囲だけで楽しむようにしましょう。
品種登録された植物を知り合いに分けたりフリマなどで販売することは、「種苗法」によって禁止されています。
種苗法は、生産者側の利益を守るために定められている法律です。
美しいお花たちを日々生み出してくれている生産者さんに感謝し、お花を楽しんでいきましょう。
切り花を挿し木にする方法 まとめ
切り花の挿し木(挿し芽)について紹介してきました。
お気に入りの花を増やす事ができたら、ますますお花のある生活が充実していきますね。
ぜひ試してみてください。